今日はちょっと先行足場の話を・・・。
私がこの会社で働くようになった十数年前は、ちょうど先行足場が普及し始めた頃で、それまでの住宅足場と言えば建て方が済んでから建物に合わせて組むのが普通でした。先行足場の話を始めて聞いた時は「そんな事出来るの?」と思った記憶がありますが、今ではすっかり当たり前になってしまいました。
そんな当たり前の先行足場ですが、これが実に難しいのです。写真ではパイプと作業床がただ縦・横・斜めに組みつけられているだけのように見えますが、実はcm単位で計算されて配置されているのです。上に書いた十数年前、先行足場普及当初は、出来上がった建物の形に合っていれば良かったのですが(当時はそれだけでも難しかった・・・)、今は基準が厳しくなり、cm単位で建物との間隔や作業床・手すりなどの高さが基準に合っていなければなりません。建物寸法が図面に出ているのだから簡単にできるだろうと言われそうですが、問題は足場部材の寸法が自由に調整できないというところにあるのです。
ご存知のように今の住宅足場は何種類かの決まった寸法のパーツで構成されています。特に水平方向の寸法はそれらのパーツの組み合わせでしか決定することができません(高さの微調整は可能ですが)。たとえば間口○mの足場を作ろうと思ったら、1800が○スパンで900が○スパンで・・・と計算をして、なおかつ途中の凹凸や出窓などにもきちんと合うようスパンの並び替えをしなくてはいけません。2Fの足場が来る位置も予め計算しておかないと、建て方後の足場の2度架け時に痛い目に遭います。
うまい職人さんほどできるだけシンプルな部材の組み合わせで、きっちり寸法を合わせることが出来るのです。そしてこの部材の“割付”こそが先行足場の醍醐味だそうです(職人さんたちによると)。私は営業職で日常的にこの“割付”に頭をひねる事はないのですが、たまーに考える時は本当に頭がキャパオーバーでパンクしてしまいます。これを毎日やっている職人さんたちは本当にすごい!前のブログにも書いてありましたが、職人さんはスーパーマンです。
・・・ということで、今日は先行足場の苦労話でした。
by にわか職人の三重県人
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